書籍でSEOを学ぼう
SEOについては、ネット上に様々な情報を得て学ぶことができます。しかしながら本(書籍)で体系的に基礎を学ぶことも重要です。
SEOは付け焼き刃の知識では取得できません、一見非効率に見えても書籍で学ぶことで体系的にSEO知識を身に付けることができます。
またオンライン上での情報はフロー情報となりがちですが、書籍は(古いですが)付箋を貼ることでストックの情報として扱うことができます。
オンラインでの情報と合わせて取得することによって重厚的にSEO知識を習得しましょう。
この記事では、SEO関連本を厳正してご紹介します。
初級者向けSEO書籍
SEO初心者や、基礎知識を復習したい人向け。
いちばんやさしい新しいSEOの教本
2014年出版ですが、第2版が2018年に出ています。比較的新しいMFI(モバイル対応)がアップデートされています。
執筆陣は、SEOコンサルティング会社のアユダンテ。SEOガチ勢。代表の安川洋さんほか、SEOコンサルタントの江沢真紀さん、村山佑介さんです。

目次
Chapter 1 SEOの目的と考え方を身に付けよう
Chapter 2 検索意図を探って有効なキーワードを見つけよう
Chapter 3 業種別に最適なサイト構成を考えよう
Chapter 4 適切な内部対策でSEOの効果を高めよう
Chapter 5 質の高いアピール施策でWebサイトの価値を高めよう
Chapter 6 モバイル環境にきちんと対応したWebサイトを目指そう
Chapter 7 技術的な問題を解決して優れたWebサイトを目指そう
Chapter 8 SEOの効果を分析してさらなる改善を進めよう
サマリー
<キーワード分析からサイト構築の流れ>
キーワードツールをかけて調査→エクセルでリストアップ→そして分析→サイト構造を考える
という一連の流れが解説されています。
マルチアサインやエイリアスと言ったサイト構造に関する解説もあり。
特徴的なので、「キーワードの濃さ」と言う表現。テールワードの対義語として「濃いキーワード」という表現をされています。
<内部施策と外部施策>
内部対策としては、画面設計から、一覧ページでのページネーション、パンくずリストの設計等基礎的なテクニカル要件が解説されています。
外部対策としては、リンク獲得、ソーシャルメディアの使い方など。
技術パートが別章立てで、リダイレクトの設定、クロールバジェットの解説、サイトマップ送信といったテクニカル要件が網羅されています。
<分析>
分析パートではGoogleサーチコンソールや、Googleアナリティクスの簡単な使い方が解説されています。
まとめ

各テーマ見開き2ページで解説されるので、各論は他の書籍で深堀りする必要ありますが、ある程度の網羅性を持ってSEOというものを知るにはちょうど良いSEO本です。
これからのSEO内部対策 本格講座
2017年出版。Googleが内部対策重視コンテンツになったことを象徴するようなタイトルです。
筆者は、セブンアイズ代表取締役でSEOコンサルタントの瀧内賢さん。福岡のホームページ制作会社のようですが、内容は制作会社らしく、フロントエンドのソースコードの解説が多いです。

目次
第1章 SEO対策の現状はどうなっているのか?
第2章 SEO内部対策の基盤構築:細胞や組織を活性化させる
第3章 SEO内部対策の応用・発展:器官にメスを入れる
第4章 SEO内部対策の全体・総合:体全体のバランスを整える
第5章 SEO外部対策の現状はどうなっているのか?
第6章 【内部対策を更に活かすための外部対策】の手順
サマリー
<内部施策>
タイトルやディスクリプション、Hタグの実装など実際の事例を元にかなり細かい考察と解説がされています。
ホームページ制作会社らしく各種htmlタグに関してはかなり細かい記載がありわかりやすいです。
パンくずに関してはマイクロデータでの構造化マークアップの記載方法が解説されています。
画像をsitemap送信など、細かい施策もたまにTips的に入ってきます。
重複ページの判定やソースコードチェック等サイトマップXML
<キーワード選定>
KW選定はそれほど細かい記載はなく、共起語を使った修正やキーワード出現率をチェックする方法などの解説。
どれも無料ツールを使った調査方法なので、気軽に試すことができます。
<その他>
モバイルファーストインデックスやAMP化などは記載はあるものの2017年の書籍のため情報が少なく。この辺は別の書籍やネット情報で補完する必要がありそうです。
まとめ

成果を出し続けるための 王道SEO対策 実践講座
2016年出版。筆者は、アンドバリュー株式会社代表取締役社長の鈴木良治さん。アンドバリューは東京の開発会社です。
「SEO対策のためのWebライティング実践講座」という前著があり、こちらはサイトの作成から運営における実践方法を提供する本として執筆されたとのこと。

目次
1章:最新状況をふまえた基礎
2章:課題から対策を検索する逆引き
3章:サーバやテーマ選択、サイト設計など土台となる対策
4章:URLやクローラ、スマホ対策など早く正しく伝える方法
5章:高い効果を発揮するための、正しいマークアップ
6章:Google Search Consoleによるサイト運営・管理
7章:サイト存続を脅かす、ペナルティの判定と対応
8章:便利な無料ツール
サマリー
<課題から対策を検索する逆引き>
だめなところからチェックする逆引きリスト。インデックスがされない場合、上位表示に表示されない場合などいくつかのケースでチェックリストのように確認することができます。
<Google Search Consoleとペナルティ対策>
Googleサーチコンソールの操作方法はUIとともに詳しく解説があり、特にリンク否認ツールやサイト移転時にGoogleに通知する方法が解説されています。
さらに、ペナルティーに対する対応策が1章分のスペースを使って詳しく解説されています。
<便利な無料ツール>
無料で使える様々なツールが紹介されています。
さくらエディタ、Filezilla(FTPアプリ)、ファンキーレイティングキーワード(出現率チェックツール)など。
まとめ

正統派SEO書籍
企業のSEO担当者や、SEOコンサルタントが読む本。
SEOを強化する技術 エンジニアが内側から支えるサイト設計・構築術
2009年出版と古い書籍ですが今でも色褪せないエンジニア視点でSEO解説した本です。
執筆陣は、SEOコンサルティング会社のアユダンテ。代表の安川洋さんほか、SEOコンサルタントの伊藤大典さん。

目次
第1章 SEOと検索エンジン
第2章 検索エンジンの技術的な仕組み
第3章 SEOサイクルとクローラビリティー
第4章 キーワード
第5章 アンサー度
第6章 HTMLの最適化
第7章 アクセスログとインデックス状況の分析
第8章 アクセス解析の導入
第9章 検索エンジンスパム
第10章 検索エンジンの制御
第11章 データベースモデリング
第12章 サイト移行第13章 モバイルSEO
付録 Fiddler2のインストール
サマリー
<検索エンジンについて>
ページランクやディレクトリ型エンジンの解説などちょっと懐かしい内容です。
<クローラビリティー>
クローラビリティーに対する細かい解説。ステータスコードの解説やURL永続化、URL正規化、URL静的化方法など今でも色褪せないテクニカル要件が解説されています。
カノニカルやリライト・リダイレクトの違いなど。思わず復習したくなる内容。
<キーワード>
一般的なキーワード設計の話ですが、形態素解析に触れていることが面白い。
また、「アンサー度」という独特な言い回しを使っていますが、今で言うところの検索インテントに近い考え方です。
head要素、body要素など基本的なフロントエンド要件の解説。
<アクセスログとインデックス状況の分析>
アクセスログに関する情報、ログの記載項目などかなり詳しい情報が書かれています。
GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティックスなどの使い方にも触れられています。
<検索エンジンスパム>
正統派SEOらしく検索エンジンスパムについて様々な手法が記載されています。
<検索エンジンの制御手法>
robot.txtやサイトマップの送信など。
<データベースモデリング>
SEO要件とデータベースの設計
データベース設計においてSEOを考慮すると言うエンジニアリングの観点。エイリアスやマルチアサインなど。
URLのID体系などにも触れられています。
<サイト移行の手順>
応用編と言いますが、DB系サイトの移行手順を解説しています。
ドメインやURLの移行についてエンジニア観点での計画〜実装を簡単に解説されています。
まとめ

現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル
2018年出版。上級者向け、スーパーガチ勢SEO本です。
筆者はウエストバーグ株式会社代表取締役社長の西山悠太朗さん。株式会社デジタルアイデンティティ執行役員SEOコンサルタントの小林睦さん、Heculaの丸山弘詩さん。3名ともこの書籍以上のことは存じ上げていませんが、この情報量を執筆&編纂できるのはスーパーガチ勢の何者でもありません。

目次
Chapter1 SEOの基本
Chapter2 マイナス評価を回避するSEO
Chapter3 サイト構造・リンク構造
Chapter4 Googlebotの制御
Chapter5 セマンティックなマークアップ
Chapter6 サイトの高速化
Chapter7 HTTPS化・モバイル対応・AMP対応
Chapter8 コンテンツSEO
Chapter9 リンクビルディング・サイテーション
Chapter10 モニタリング・保守

検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書
2008年出版。なんと2003年に出版された「検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書」の改定版。かなり歴史のあるSEO本です。
筆者は株式会社アイレップ渡辺隆広さん。SEO黎明期から第一線で活躍されるレジェンドです。いわずとしれたSEOガチ勢。

目次
01 SEOとは何か
02 検索エンジンのしくみ
03 検索エンジン最適化とは
04 キーワードの選び方
05 検索エンジンスパム
サマリー
<SEOとは何か>
検索順位別クリック率が掲載されてるところが、いかにもプロっぽい視点ですね。
<検索エンジンのしくみ>
ディレクトリ型検索エンジンやページランクなど懐かしい記載があります。SEOの歴史を知ると言う意味では今でも価値がある情報です。
<検索エンジン最適化とは>
The SEO本編の章。
タイトルタグやディスクリプションタグ、Hタグ扱いなどのHTML最適化の手法が記載されています。
リンク分析アルゴリズムと言うGoogleのアルゴリズムに対するわかりやすい解説があり。リンクポピュラリティと言う一言で片付けずリンクの数、リンクの質、リンクの関係性、アンカーテキスト、リンクの信頼性、リンクの年齢などに分解して解説がされています。
URLの設計については、動的URL/静的URLの扱い方、さらにはサイトの設計ナビゲーションの設計、サイトマップの設定などにも触れられています。
<キーワードの選び方>
キーワード選定については概要にとどまりますが、キーワードの間接効果やブランドキーワードに関する言及などプロっぽい視点が他書と一線を画します。
<検索エンジンスパム>
検索エンジンスコープに関しては、1章を通じて解説がされています。スパムとしては古い手法も含まれていますが網羅的に解説がされています。
<その他>
SEOのパフォーマンス測定においてはトラフィック(流入)のみならずファインダービリティスコア、つまり競合も含めた順位調査を点数化すること、つまり流入白地調査の手法ついても触れられています。大規模サイトのSEOコンサルは必須のスキルです。
重複コンテンツに対する注意や、サイト移転時のに301リダイレクト/302リダイレクト、またそのリダイレクト手法について解説がされています。
まとめ
